分子栄養学では有名なアメリカの科学者でノーベル賞を2回も受賞したライナス・ポーリング博士という方がいました。
このポーリング博士が1970年にビタミンCに関する書籍を出版し話題になりました。
その内容は、ビタミンCをたくさん飲めば風邪を予防できるし、風邪をひいても治りが早くなるという物でした。
主な根拠となった研究はスキー選手合計279人を対象として行われており、ビタミンC1000mgを飲む群と飲まない群で比較したというものです。
ビタミンCを飲んだ群では飲まなかった群よりも風邪を引いた人数は約半分であり、風邪をひいていた合計日数と症状の合計数も6割近く少なかったという結果でした。
その後ビタミンCに関する数々の研究が行われており、その全ての研究をまとめたメタ・アナリシスが2013年に発表されました。
それによると、マラソン選手、スキー選手、兵士などの高い運動負荷のかかっている人達でビタミンCによる効果が認められたとのことでした。
逆に、そのような高い運動負荷のかかっていない一般市民についてはビタミンCによる風邪の予防効果や症状軽減効果はほとんどなかったようです。
よって全ての人に同様の効果があるわけではないようですが、一部の高ストレス状態にある人達においては有用なのかもしれません。
ですが、日頃から自分の活動代謝量に見合ったカロリー摂取と、PFCバランスを意識して生活し自分本来の免疫力を保つことこそが本当の意味での予防なのではないかと僕は思います