介護認定をスムースに行うために・・・主治医意見書

介護保険を申請する際に、かかりつけ医に主治医意見書という書類を書いてもらう必要があります。
この書類には、本人の介護が必要となった病名・病態の他に、現在の生活状況や身体状況などを記す必要があります。 
私のところにも毎月10通くらい主治医意見書が送られてきますが、病状だけでなく生活全般の様子を詳しく書くために時間がかかります。

この書類が介護認定の審査会で重要な審査資料として使用されると思うとしっかり書かねばとつい力が入ってしまいます。
でもいくら悩んでも本人の生活状況を事前に把握していなければ書けないものです。
そのため意見書を書く前の診察では、本人・ご家族が普段の生活で困っていることの他に以下のような諸点の聞き取りをするようにしています。

ADL(日常生活動作)
①食事;一人で食べることができるか、介助が必要か
②歩行;杖などの補助具を使わずに歩けるか、介助が必要か、これまで転倒したことはないか
③更衣;自分で着替えができるか、介助が必要か
④入浴;自宅でお風呂に入っているか、一人で入れるか、介助が必要か
⑤服薬;お薬の飲み忘れはないか、誰がお薬を管理しているか

IADL(手段的日常生活動作)
①買い物;自分で行っているか、誰か他の人に頼んでいるか
②料理;自分で作っているか、買ってくるか、他の人が作っているか
③掃除;自分でしているか、誰かに頼んでいるか
④金銭管理;自分でしているか、家族がしているか
⑤移動;公共交通機関(バス、電車)を利用して出かけることがあるか

これらの点を簡潔に意見書に書いておけば、審査する方も分かりやすいと思います。

最近の審査では、まず日常生活の自立度などの項目をコンピューターがチェックして機械的に1次審査が行われます。
そうなると主治医が苦労して書いた状態説明は、参考程度かもしれませんが、
できるだけ速やかに審査をしていただくためにわかりやすく、適切で、現在の状況が伝わるような意見書を作成することを心がけています。

介護保険を申請する方が増えて、医師の意見書作成が遅れ認定が遅れるようなことが多くなっているそうです。
申請から認定までの期間は、現在1か月~2か月かかっています。
認定期間を短縮できるように審査件数を減らす目的で、状態が変わらない方に関しては再申請が2年に1回から3年に1回に変更になりました。
この間に状態が悪くなり介護度が上がった場合は、いつでも再申請をすることができます。

もしご家族の介護申請を行うような場合は、上記のようなADL,IADLの諸点を主治医にお話しするとスムースに意見書を書いていただけるのではないでしょうか。

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