帯状疱疹は突然の針で刺すようなキリキリした痛み、そして数日後その部位に水疱ができます。
ヘルペスウイルス(水痘・帯状疱疹ウイルス)による感染症です。
4歳までに90%の方がこのウイルスに感染して水痘症を起こします。
水痘症が治った後もヘルペスウイルスは神経節のところに潜み続け、ストレスや疲れ、病気などで免疫力が低下したときに帯状疱疹として再発症します。
最初から皮膚に水疱がでるわけではなく、肋間神経痛のキリキリした痛みが先行することが多く、2,3日してから水疱がでてきて帯状疱疹だとわかります。
水疱のできる場所は、神経にそった部位に限局しています。
胸背部(肋間神経領域)に発症することが多いのですが、顔面(三叉神経領域)、手足とかでん部や陰部にできる方もいます。
身体の右側か左側か、片側にでき、両側にできたら帯状疱疹ではありません。
どの部位でも片側性に痛みがあり水疱ができたら疑ってください。
この病気で大切なことは、早期に診察・治療を受けることです。
放っておくと感染範囲が広がり重症化して痛みが長びくことがあります。
多くのウイルス感染症は対症療法だけなのですが、ヘルペスウイルスに対しては治療薬があります。
早期に診療を受けて、できるだけ早く薬を服用することでウイルスの増殖を抑え軽い病状ですむようにしたいものです。
基礎疾患があり免疫力が低下している方やかなり広い範囲に水疱がでた方は、抗ウイルス剤の点滴を受けたほうがよいでしょう。
帯状疱疹による痛みに対してもきちんと痛みを抑える薬を使います。
リリカという薬がとても効果があります。
でも発症してから対応するよりも発症を予防する方がよいでしょう。
成人に対しても水痘・帯状疱疹ウイルスワクチン接種が2年前よりできるようになりました。
帯状疱疹の痛みのつらさは、経験したものでないとわからないのですがお話を聴くとかなりつらいようです。
つらい思いをしないためにもワクチン接種を受けることをお勧めします。
費用は6,000円くらいかかりますが、5年間有効です。
肺炎球菌ワクチン接種が公費負担することで普及しました。
各自治体には、ぜひ水痘・帯状疱疹ウイルスワクチン接種も公費負担を考えていただきたいと思います。