感染症には、治療できるものとまだ治療できないものがあります。
細菌感染症は、抗生剤の開発によりほとんど治療することができるようになりました。ただし、治療抵抗性の菌が存在するため絶えず新しい抗生剤を開発して治療対策を考えていかなければなりません。
ウイルス感染症は、20年前まではどうすることもできず出た症状に対して処方する対処療法が一般的でした。この10年でヘルペスウイルス、インフルエンザウイルス、エイズウイルスに対する薬が開発されて使用されています。
さらに最近になって目覚ましい治療薬が開発されたのがC型肝炎ウイルスに対する薬です。
20~30年前までは、ベッドに安静にさせておいて点滴を打つくらいしか治療法がなかったのです。
徐々に病状が進行して肝硬変になり肝がんを発症して亡くなる方が年間3万人ほどいました。
ところが抗ウイルス薬の開発によりC型肝炎は治る病気になりました。
ウイルスの遺伝子配列を調べ、特定の部位を阻害する薬を開発できるようになったからです。
これも遺伝子解析と分子創薬技術の進歩の賜物と思います。
現在使用されている薬(ハーボニー)を使用すれば、どんなタイプのC型肝炎ウイルスであろうと治療が可能です。
(肝硬変の末期や腎機能がひどく悪い場合だけは使用できません。)
ウイルス性肝炎の医療費は、助成対象となっているので費用もかかりません。
ここまできたらC型肝炎ウイルスに罹患している方は、症状の有無にかかわらず治療を受けた方がよいでしょう。
あなたは肝炎ウイルスに感染しているかどうか知っていますか?
知らないのであれば、ぜひお近くのクリニックを受診なされてください。
肝ウイルスチェックは、多くの市町村では無料でチェックできます。
肝炎ウイルスの無料チェックのために来たと受付で言えばできるはずです。
これまでに外来や入院で検査がしてありC型肝炎陽性と言われたことがある方は、すぐに治療したいと申し込みましょう。
かかりつけ医の先生から適当な専門病院を紹介していただけるはずです。
あとは専門医の先生から治療を受けるだけです。
3か月の服薬治療により、ほぼ100%近くC型肝炎ウイルスがいなくなります。
本当に画期的な医療の進歩だと思います。
C型肝炎ウイルスがいるかチェック(受検)
いることが分かったらすぐにクリニックへ行き(受診)
専門医を紹介していただき治療を受ける(受療)
という3ステップでC型肝炎の治療ができるのです。