A形インフルエンザの猛威は、2月になってやっとピークをすぎた感じがします。
でも今度はB型インフルが出始めたという情報がはいっていますので安心はできませんが、、、
インフルのピークが過ぎたと思ったら、今度は外来に嘔吐・下痢の患者さんが殺到しています。
お話をうかがうと生カキを食べたという方が多いです。
原因はノロウイルス、名前の割に広がり方はハヤいです。
診断は、正確には便の検査をしてノロウイルスを同定することです。
迅速検査ですが、多くのクリニックや病院は検査会社に検査を依頼するので2~3日は診断にかかってしまいます。
検査費用は、3歳以下の子ども、65歳以上の高齢者または癌と診断されている方は保険がききますが、それ以外の方は自費です。
嘔吐・下痢の90%がノロウイルスですので検査で診断つけるまでもなくノロウイルスとして対応した方がよいでしょう。
ノロウイルスに効く薬はないので嘔吐・下痢の場合は、とにかく対処療法となります。
薬は、吐き気止めと下痢止めを処方します。
だいたい3日くらいで症状は消失するので、その期間脱水にならないように水分をしっかりととること。 排泄した分だけ水分を取るように心掛けます。
水やお茶では、すぐに水様性の下痢になって出てしまうので、吸収しやすい補液水OS-1やスポーツドリンクで水分を補給するようにしましょう。
それから大事なのは、他の家族や同僚に感染しないように心掛けることです。
感染すると24時間で発症するのですぐに家族や会社内で感染が広がってゆきます。
牡蠣なんか食べてないのに嘔吐下痢になったという方は、トイレなどで感染した可能性があります。
汚染された手やタオルなどを介して容易に経口的に感染が広がるので、トイレの後はしっかり手を洗うこと。
またタオルは共有しないようにしましょう。
アルコールや高温に対しても耐性が強いので要注意です。85度1分以上の加熱が必要です。
生カキだけでなくフライや焼いたカキでも火が十分にとおってなかったら感染するので要注意です。
また飲食業では、感染が広がらないように対策することはいうまでもありません。
あの店にいったら嘔吐・下痢をしたということになったらとんでもないことになります。
罹患した方は、死にいたることはほとんどありませんが、飲食業にとっては致命的です。
インフルエンザのように、学校保健安全法などによって欠席すべき日数の規定はありません。
特に食品を扱っている会社では、ノロウイルス感染者がでた場合の対応はきちんと決めておく必要があるでしょうね。