エビやカニを食べると全身がかゆくなったり、ひどい場合は息がくるしくなったりする方がいます。 食物によるアレルギー反応ですね。 どんな食物がアレルギー反応をおこしやすいかは、年齢によって違います。
0歳児では、鶏卵、牛乳、小麦によるアレルギーが89.3%をしめます。 年齢とともに鶏卵、牛乳によるものは減りますが、2、3歳児ではピーナッツによるものが増え、7~19歳以降は甲殻類、そば、果実類によるアレルギーが増えます。
食物アレルギーの症状は全身にみられます。 皮ふが赤くなる蕁麻疹はご存知でしょうが、目の充血、流涙、まぶたの浮腫、鼻汁、舌の腫脹やはきけ、嘔吐、下痢、腹痛、さらにひどい場合は呼吸困難や血圧低下を誘発します。 重症の血圧低下、意識障害を起こすものをアナフィラキシーショックといいます。 これは怖い、死にいたることもあります(年間40~70例ほど死亡が報告されています)。
いちどでもアレルギーをおこしたことがある食べ物や薬は食べたり使用したりしないことです。 最初は、軽い症状でも徐々に重くなりついにはショックをおこすこともありえます。 食べ物は、料理に仕方によってはっきり原材料がわからないことがあるので見た目での判別は難しいですね。 エビやカニはだしとして使用してある場合もあるので要注意です。 食物アレルギーのある方はどうしても神経質になりますよね。
食物以外にもよくアナフィラキシーを起こすのはスズメバチに刺された時や薬剤によるものです。 毎年夏季、スズメバチに刺されて死亡された方のことがマスコミの話題になりますね。
またしばしば医療事故の原因となるのが薬剤によるアナフィラキシーショックによる死亡です。 どの薬でどの方がアナフィラキシーを起こすかは予測がつかないので医療従事者としては本当に怖いです。 医療はやはり危険と背中合わせの行為です。 一度アレルギーがでた薬の名前は必ず憶えておくこと、そして病院を受診するときは、必ず医師に薬剤名を伝えることです。
アナフィラキシーショックの治療は、すぐに医療機関でアドレナリンの注射をうけることです。 アナフィラキシーをおこすような食物アレルギーのある方には、自分あるいは周りにいる方が使えるような携帯用のアドレナリン自己注射器があります。 エピペンといいます。
食事後にひどい嘔吐、呼吸苦、意識朦朧状態、尿失禁などが出現した場合は、自分で打てない状態であれば周りのものが太ももに注射をしてあげることです。 エピペンを携帯していらっしゃる方は、家族や一緒にいることの多い友人には使い方を知ってもらっておくことが大切なことです。
エピペンにより助かった方のことが時々記事になっています。 まさに命の綱です。