めまいで悩む方は多いですね。
めまい外来という専門外来ができるくらいですから。
なったものにしかその本当のつらさがわからない症状のひとつだと思います。
めまいなんか起こしたこともないという方が大多数でしょうが、おこす方は何度も繰り返します。
一度経験した方は、また起こったらという恐怖のために薬が手放せなくなります。
繰り返しおこすと最初のうちは同情してくれていた人たちが、また起こったのというくらい対応になるのもつらいことですね。
家人がめまいになった場合、病院に直ちに連れて行ったほうがよいかどうか迷います。
早期に病院に連れて行くことがよいのですが、めまいの種類により特に注意しなければならないものがあります。
めまいを起こす原因部位は、脳(中枢性)と耳(末梢性)の2箇所です。
中枢性のめまいは、脳卒中を原因としていることが多く、命にかかわりますので至急に診断・治療をする必要があります。
一方、末梢性のめまいは、まず致死的なものではありません。
でも早期に治療をしたほうが永続的な障害を起こさなくてすみます。
中枢性と末梢性のめまいの違いはどんな点でしょうか。
典型的な目がまわる回転性のめまいは、末梢性の障害のことが多いです。
体の向きや頭を動かすことで誘発される回転性のめまいは良性発作性頭位めまい症です。
耳石が欠けて三半規管に落ち込むことによりおこります。
耳石を元の位置にもどす体操や抗めまい薬を服用することで治療をします。
難聴や耳鳴りをともなう回転性のめまいは、メニエール病です。
内リンパ水腫が原因といわれています。
めまいの方が、自分はメニエール病でとよく言いますが、難聴を伴わないものはメニエール病とはいいません。
治療は水腫を良くするために利尿剤と抗めまい薬を使用します。
突然難聴をきたす突発性難聴でも回転性のめまいがおこることがあります。
中枢性めまいの特徴は、フラフラするという訴えです。
まっすぐに歩くことができないという場合もあります。
めまいだけでなく、次にあげる症状をともなっている場合は中枢性めまいを考えて精査をする必要があります。
・ひどい頭痛
・ロレツがまわらない
・手足のしびれ、脱力がある
・意識低下がみられる
このような症状があれば頭部CT検査をして脳卒中でないかを調べる必要があります。
たかがめまいとあなどるなかれ、きちんと診断ができてはじめて有効な治療ができます。